この記事で分かること
- 金利が2.15%→2.5%→3.0%→3.5%と上昇した場合、5年後・10年後にローン残債がいくら増えるか
- 「5年ルール」があるローンでは、金利上昇の影響がなぜ毎月の返済額にすぐ出ないのか
- 金利上昇によるマイナスを、家賃値上げによる物件価値の上昇でどこまでカバーできるか
- 借入額3,390万円(川崎②・新築)の実データを使った具体的なシミュレーション結果
金利がさらに上がったら、不動産投資はどうなるのでしょうか。
2026年6月、私が保有する川崎の新築ワンルームで、ローン金利が1.90%から2.15%へ0.25%上昇しました。
前回の記事では、川崎の2室合算での影響を書きましたが、今回はこの1室に絞って、より詳しく金利上昇の影響を計算してみます。
金利が2.5%、3.0%、3.5%まで上がったら、返済額や残債はどう変わるのか。
結論から言うと、金利が3.5%まで上がっても、それだけで投資が成立しなくなるわけではなく、家賃上昇余地まで含めて考えることが重要です。
前回の記事はこちら
👉 金利0.25%上昇で年15万円負担増|不動産投資への影響と対策
今回シミュレーションする物件のローン条件
対象は、私が保有する川崎の新築ワンルームマンションです。
川崎の新築ワンルームの購入時の詳細はこちら
👉 新築なのに利回り3.7%|川崎の投資マンションを150万円値引きで買った話【体験談】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 借入額 | 3,390万円 |
| 借入時期 | 2025年 |
| 返済期間 | 35年 |
| 当初金利 | 1.90% |
| 2026年6月以降 | 2.15% |
| 返済方法 | 元利均等返済 |
| 5年ルール・125%ルール | 適用 |
当初金利1.90%での毎月返済額は約111,000円です。今回は、この金利が2.15% → 2.5% → 3.0% → 3.5%と上昇した場合を比較します。
シミュレーション結果
金利3.5%なら、単純計算では年間約45万円の差
まず、現在の残債(約3,323万円)を基準に、金利差だけを単純計算してみます。
| 金利 | 2.15%との差 | 年間利息増の目安 | 月平均 |
|---|---|---|---|
| 2.15% | ― | ― | ― |
| 2.50% | +0.35% | 約11.6万円 | 約9,700円 |
| 3.00% | +0.85% | 約28.2万円 | 約2.4万円 |
| 3.50% | +1.35% | 約44.9万円 | 約3.7万円 |
※現在の残債約3,323万円が変わらないと仮定した単純計算です。実際には返済によって残債が減るため、実際の利息額とは異なります。
残債が変わらないと仮定すれば、利息負担は月平均約3.7万円増える計算です。ただし5年ルールがあるため、実際の毎月返済額が直ちに3.7万円増えるわけではありません。
5年ルールがあるので、前半5年は返済額がすぐには増えない
変動金利では金利が上がると利息も増えますが、5年ルールがあるローンでは、一定期間は毎月の返済額そのものは変わりません。
たとえば毎月111,000円返済していて、
- 金利上昇前:元本返済6万円+利息5.1万円
- 金利上昇後:元本返済4万円+利息7.1万円
のように内訳だけが変わり、口座から出ていく金額は同じ111,000円のままです。
つまり「金利上昇=すぐに毎月のキャッシュフローが悪化する」わけではありません。その代わり、利息が増えた分だけ元本返済が遅くなり、残債の減るスピードが遅くなるという形で影響が出ます。
金利が上がると5年後の残債はいくら変わる?
2025年に3,390万円を35年ローンで借り、毎月の返済額約111,000円を維持したまま金利だけが上昇した場合の概算です。金利シナリオの分岐は「2026年8月」から先が変わるものとして計算しています。
| 金利 | 5年後の残高 | 2.15%との差 | 5年後の新返済額 | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 2.15% | 約3,065万円 | ― | 115,599円 | +4,599円/月 |
| 2.50% | 約3,112万円 | 約+47万円 | 122,963円 | +11,963円/月 |
| 3.00% | 約3,180万円 | 約+115万円 | 134,088円 | +23,088円/月 |
| 3.50% | 約3,250万円 | 約+185万円 | 138,750円(理論値146,532円→上限) | +27,750円/月 |
※各水準まで上昇した後、その水準が継続すると仮定した概算です。実際の残債・返済額は金利変更時期などによって異なります。
金利が2.15%から3.5%まで1.35ポイント上がっても、5年間で生じる残債差は約185万円。決して小さくはありませんが、「毎月3.7万円の支出増」とは意味が異なります。毎月の返済額は前半5年間111,000円のままで、その代わり5年後に約185万円多くローンが残る、という形で影響を受けます。
10年後まで保有すると残債差はさらに広がる
私は5〜10年程度での売却を基本戦略にしているため、10年後の数字も重要です。5年後に返済額が見直され、その後も同じ金利が続くと仮定すると、10年後の残債差は次のようになります。
| 金利 | 10年後の残高 | 2.15%との差 |
|---|---|---|
| 2.15% | 約2,681万円 | ― |
| 2.50% | 約2,741万円 | 約+60万円 |
| 3.00% | 約2,828万円 | 約+147万円 |
| 3.50% | 約2,962万円 | 約+282万円 |
3.5%の場合、2.15%と比較して10年後の残債は約282万円多くなる計算です。
ここで重要なのは、この282万円の差の出方です。前半5年は返済額が据え置かれるため主に残債の減少ペースに影響しますが、後半5年は返済額そのものが13万円台後半まで上がるため、毎月のキャッシュフローにも実際に影響が出ます。
金利上昇では毎月のキャッシュフローだけでなく、売却時にローンがいくら残っているかも重要です。特に5年ルールが適用される前半5年間は、影響が返済額より残債に表れやすくなります。
毎月の赤字より「売却時の残債」が重要
売却時の手残りは、単純化すると「売却価格−ローン残債−売却費用・税金」です。
たとえば10年後に3,500万円で売却できたとして、残債が2,681万円なら手残りは819万円、残債が2,962万円なら手残りは538万円です。同じ価格で売れても、残債が282万円多ければ手残りも約282万円減ります。
金利3.5%になったら厳しいのか?
10年後の残債が約282万円増えるのは小さな影響ではありません。ただ、これだけで「3.5%になったら売る」と判断するのも違うと思っています。理由は、保有期間中に家賃も変わる可能性があるからです。
川崎のこの物件は現在の家賃が周辺相場より1万円ほど低く、今後の更新時に値上げを狙っています。仮に月1万円上げられれば、年間12万円の家賃収入増です。5年ルールによって毎月の返済額が据え置かれている前半5年は、家賃を上げた分がそのままキャッシュフロー改善として表れやすくなります。
家賃の値上げ方法はこちら
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実際の家賃値上げ交渉はこちら
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家賃1万円アップなら、理論上の物件価値は約324万円上がる
家賃値上げにはもう一つ効果があります。月1万円家賃が上がれば年間12万円の収入増になりますが、仮に利回り3.7%で評価されるとすると収益還元法により、
12万円 ÷ 3.7% ≒ 約324万円
の物件価値押し上げに相当します。もちろん実際の売却価格が必ず324万円上がるわけではなく、あくまで利回り3.7%という前提での理論値です。
収益還元法についてはこちら
👉不動産投資で勝つための収益還元法|家賃1万円上げると物件価値が300万円上がる仕組み
金利3.5%の影響と、家賃1万円アップを比べてみる
金利が2.15%から3.5%まで上昇した場合、10年後の残債は約282万円増。一方、家賃を月1万円上げられれば年間家賃+12万円、利回り3.7%の前提では物件価値+約324万円に相当します。
「家賃収入120万円+物件価値324万円=444万円」として金利上昇の282万円と単純比較することはできませんが、少なくとも「金利が3.5%まで上がっただけで投資が成立しなくなる」とは言えないことが分かります。
前半5年と後半5年で、金利上昇の効き方が違う
今回の試算であらためて分かったのは、5年ルールがあるローンでは金利上昇の影響が一様には出ないということです。
前半5年は返済額が約111,000円のまま据え置かれるため、影響は主に「残債の減少ペースが遅くなる」という形で出ます。この期間に家賃を上げられれば、その分はそのままキャッシュフロー改善になります。
一方、5年後の返済額見直しでは、3.5%シナリオなら返済額が約138,750円まで上がるため、後半5年は金利上昇の影響がキャッシュフローにも表面化します。
つまり、金利上昇への耐性を考えるときは、前半5年で家賃をどれだけ上げられるかが特に重要になります。
金利3.5%になったら、売却すべきか
金利3.5%は間違いなく逆風ですが、今回の試算では、それだけで直ちに売却すべき水準とは感じませんでした。
5年ルールがあるため、前半5年間は毎月返済額への影響が抑えられ、主に残債の減少ペースに影響します。一方、5年後の返済額見直し後にはキャッシュフローへの影響も大きくなります。
だから重要なのは、金利だけを見ることではなく、「金利上昇による残債増」「返済額増」「家賃上昇」「売却価格」をセットで見ることだと考えています。
まとめ|金利3.5%でも、見るべきは毎月の赤字だけではない
借入額3,390万円の川崎の物件を使って、金利が2.15%から2.5%、3.0%、3.5%まで上昇した場合をシミュレーションしました。
5年ルールがあるローンでは、前半5年と後半5年で金利上昇の効き方が違います。今回の概算では、
- 5年後の残債:約185万円増
- 10年後の残債:約282万円増(うち後半5年は返済額そのものにも影響)
となりました。一方、家賃を月1万円上げられれば年間12万円の収入増、利回り3.7%の前提では理論上約324万円の物件価値押し上げに相当します。
金利が何%になったら危険か、という一つの数字だけで判断するのではなく、金利上昇による残債増・返済額増を、家賃上昇と物件価値の上昇でどこまでカバーできるかを見ることが重要だと考えています。
金利上昇や家賃の見直しなど、ご相談がある方はお問い合わせページからご連絡ください。

