この記事でわかること
- 不動産投資でなぜ節税できるのか
- 節税できる経費の種類(減価償却・諸費用・雑費・家賃・通信費など)
- 高所得者ほど節税効果が大きい理由
不動産投資に興味を持つ高所得者の方から、よくこんな質問をいただきます。
「不動産投資で節税できると聞いたけど、実際どういう仕組みなのか」
私自身、6室の不動産を保有し、年間数百万円規模の節税を実現しています。この記事では、その仕組みをできるだけシンプルに解説します。
※本記事は一般的な仕組みの解説です。実際の税務処理は個人の状況・物件の内容によって大きく異なります。必ず税理士にご相談ください。
なぜ不動産投資で節税できるのか
不動産投資で節税できる理由はシンプルです。
不動産投資を「事業」として行うと、その事業にかかる費用を経費として計上できます。この経費が給与所得と合算され、課税所得が下がることで、払いすぎた税金が戻ってくる仕組みです。
給与所得者にとって重要なのは「損益通算」という仕組みです。不動産事業の収支が赤字になった場合、その赤字を給与所得と相殺できます。課税所得が下がれば、払いすぎた所得税・住民税が還付されます。
不動産所得の損益通算は、法人化・独立後の収入設計と組み合わせることでさらに効果が大きくなります。独立後に不動産赤字と給与所得・事業所得を損益通算した実際の数字については以下の記事で詳しく書いています。
→ 独立して手取り+820万円|外資系コンサルが法人化で変えた税の構造
さらに課税所得がいくらになったか・実際の税負担がいくら下がったかの具体的なシミュレーションは有料noteで全公開しています。
→ 独立して手取り+820万円|外資系コンサル10年の収支を全公開
節税できる経費の種類
不動産投資で計上できる主な経費は以下の通りです。
① 減価償却費|毎年自動的に発生する最大の経費
最も大きな節税効果をもたらすのが減価償却費です。実際にお金が出ていかないのに毎年自動的に経費になるという点が最大の特徴です。売却時に一部取り戻される性質がありますが、金額の大きさで他の経費を圧倒します。
建物は時間とともに価値が下がるとみなされ、その「目減り分」を毎年経費として計上できます。減価償却できるのは建物のみで、土地は対象外です。また建物は「躯体」と「設備」に分けて償却できます。
- 躯体(RC造):耐用年数47年
- 建物附属設備:耐用年数15年
耐用年数が短い設備の方が、1年あたりの償却額が大きくなります。
減価償却の詳しい考え方についてはこちらで解説しています。
→不動産投資で節税を最大化する方法|減価償却・建物比率・地域選びの考え方
② 購入時諸費用|初年度だけ使える大きい経費
購入した初年度にしか使えない経費です。登記費用・事務手数料・印紙税などで1件あたり数十万〜100万円程度になるケースが多く、買い増すたびに初年度の節税効果が上乗せされます。売却時に取り戻されることはなく、計上した分がそのまま節税になります。
※購入時費用のうち、取得価額に含めるべきものもあります。実際の処理は税理士に確認してください。
③ 雑費(事業関連費用)|売却時に取り戻されない純粋な経費
不動産投資に関連する交通費・宿泊費・会食費・書籍代・セミナー代なども、事業に関連するものであれば経費として計上できます。
減価償却は売却時に譲渡税として一部取り戻されますが、雑費は違います。計上した分がそのまま節税になるため、長期的に積み上げると大きな効果になります。
※計上できる内容・金額は事業実態によって異なります。税理士にご相談ください。
④ 自宅家賃の一部|見落とされがちだが長期で効く、取り戻されない経費
意外と知られていない節税手段です。不動産投資が事業として認められる場合、自宅家賃の一部を経費計上できるケースがあります。
売却時に取り戻されることはなく、計上した分がそのまま節税になります。10年続ければ数百万円規模になります。
事業での使用割合に応じた按分が必要で、割合は事業実態・使用状況・契約形態などによって異なります。必ず税理士と相談の上で適切な割合で計上してください。
⑤ 通信費・水道光熱費の一部|少額だが積み上がる、取り戻されない経費
金額は小さいですが、毎年確実に積み上がる経費です。売却時に取り戻されることはなく、計上した分がそのまま純粋な節税になります。
携帯電話代・インターネット代・水道光熱費なども、不動産投資の事業で使用している割合に応じて一部経費として計上できるケースがあります。按分の割合は事業実態・使用状況によって異なります。必ず税理士と相談の上で適切な割合で計上してください。
高所得者ほど節税効果が大きい理由
節税効果は、所得税率が高い人ほど大きくなります。
例えば所得税率33%+住民税10%で合計43%の税率の方が、100万円の経費を計上した場合:
100万円 × 43% = 43万円の節税
一方、所得税率が低い方は節税効果も小さくなります。
また減価償却については「納税の先送り」という側面もあります。売却時に譲渡所得税がかかりますが、長期保有(5年超)の場合の税率は約20%です。
現役時代の税率43%で節税し、売却時に20%で課税される。この税率の差分が実質的な節税効果になります。逆に所得税率が20〜23%程度の方は、売却時の譲渡税とほぼ相殺されるためメリットが薄くなります。
しかし、ここで重要な視点があります。「納税の先送り」とは、売却時に課税されるまでの間、本来払うはずだった税金を手元に置いておけるということです。
例えば減価償却で100万円の節税ができた場合、その100万円を売却まで(仮に5年間)インデックス投資などで年利6%で運用すると、5年後には約134万円になります。売却時に譲渡税20%が課税されても、運用益の分だけ実質的なプラスが生まれます。
「先送りした税金は結局取り戻される」という見方は正しいですが、その間に現金を運用できるという事実を無視しています。現金が手元にある期間が長いほど、運用による複利効果が積み上がります。これが「納税の先送り」の本質的な価値です。
※運用利回りは保証されるものではありません。実際の投資判断はご自身でお願いします。
一方、雑費・自宅家賃・通信費・水道光熱費といった経費は、売却時に取り戻されることがありません。計上した分がそのまま純粋な節税として手元に残ります。
金額は小さくても、毎年積み上げることで長期的には大きな効果になります。減価償却による「納税の先送り」と、これらの「取り戻されない経費」を組み合わせることが、不動産投資の節税を最大化する鍵です。
実際に6社と面談して購入した経験から、各社の特徴と節税との相性をまとめています。
→ 不動産投資会社おすすめランキング6社比較|実際に買った投資家の結論
まとめ
不動産投資による節税の仕組みをまとめると:
- 減価償却費:毎年自動的に発生する最大の節税手段
(売却時に一部取り戻される。ただし売却までの間、手元に残った現金を運用することで、先送りした税金以上のリターンを得られる可能性がある。) - 購入時諸費用:購入した年にしか使えない一発目の節税(取り戻されない)
- 雑費:売却時に取り戻されない純粋な節税
- 自宅家賃:事業実態に応じて一部計上できる・取り戻されない
- 通信費・水道光熱費:少額だが毎年積み上がる・取り戻されない
これらを組み合わせることで、不動産事業の帳簿上の赤字をつくり、給与所得と損益通算することで節税効果が生まれます。
高所得者ほど税率が高い分、節税効果も大きくなります。
ただしこれらの判断は物件の構造・取得方法・個人の状況によって大きく異なります。税務処理については必ず税理士にご相談ください。
不動産投資の節税は「魔法」ではありません。使える経費を正しく理解し、適切に積み上げた結果として生まれるものです。まずは仕組みを理解することが、節税最大化への第一歩です。
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