家賃の3.5%も払う価値はある?|6室保有して分かった賃貸管理会社の仕事

不動産投資

この記事で分かること

  • 賃貸管理会社は、実際どこまでの業務を担ってくれるのか
  • なぜ管理会社は家賃交渉そのものを代行してくれないのか(弁護士法72条との関係)
  • 集金代行手数料が「定率制」であることの違和感
  • 管理料だけでなく、保有期間トータルで見るべき理由
  • 管理会社を変えるとしたら、どのタイミングが現実的か

不動産投資会社からは、「購入後は管理会社に任せれば大丈夫です」と言われることが多いです。

これは間違いではありません。実際、私も6室持っていますが、日常的な作業はほとんどありません。

ただ、実際に家賃値上げをやってみて気づいたことがあります。「管理を任せる」ことと「収益を最大化してもらう」ことは、まったく別の話だということです。

6室すべてどの会社から購入したかについては、こちらにまとめています。
👉 購入した6室、全データ公開|東京・川崎・大阪、値引き・値上げ・物件価値の実績まとめ

そもそも賃貸管理会社は何をしているのか

管理会社によって差はありますが、主な業務は次のようなものです。

  • 家賃の集金・送金
  • 滞納時の対応
  • 入居者からの問い合わせ・設備故障等の一次対応
  • 契約更新手続き
  • 退去受付・原状回復の手配
  • 空室時の入居者募集
  • オーナーへの確認・報告

要するに、面倒な実務をオーナーの代わりに回してくれる会社です。だから6室あってもほぼ手間がかからない、という話は以前の記事でも書いた通りです。
👉 不動産投資は「買って終わり」ではない|6室保有して年間にやっていること全部公開

でも「家賃を上げてください」と言えば全部やってくれるわけではない

実際に家賃値上げをやってみると、相場を調べて、適正賃料を考えて、入居者を説得して、最大限値上げしてくれる、というところまで管理会社がやってくれるわけではありませんでした。

いくらにするかを決めるのはオーナー。どういう理由で値上げするかを考えるのもオーナー。どこまで譲歩するかを決めるのもオーナーです。管理会社は、その意向を入居者に伝えてもらう、という役割にとどまります。

私が利用している管理会社の中には、弁護士法72条等との関係から、管理会社自身がオーナーの代理人として賃料増額の交渉を行うことはせず、オーナーが決めた条件や文面を入居者へ伝達する、というスタンスの会社もありました。実際、家賃値上げの際にこの説明を受けたこともあります。

私が管理会社から受けた説明によると、賃貸物件の管理会社がオーナーに代わって賃料増額交渉を行うことは、非弁行為に該当する可能性が高いため行わないとのことでした。単なる意向の伝達にとどまる範囲であれば問題になりませんが、入居者を説得し、法的な主張を組み立てて譲歩を迫るような交渉になると、弁護士のみが行える領域とされているためのようです。

だから家賃値上げは「オーナー主導」になる

私の場合、相場を確認する、値上げ額を決定する、管理会社が用意した文面を確認する、必要なら自分で修正する、管理会社から入居者へ送付してもらう、返答を受けて次の条件を判断する、という流れで進めています。

つまり、管理会社に交渉してもらうというより、自分が交渉を設計し、管理会社にはコミュニケーションの窓口になってもらう、という表現の方が実態に近いです。

じゃあ、管理会社の差はどこに出る?

業務内容そのものは、各社で大きな差が出にくいというのが実感です。ただ、実際に複数社を使ってみると、

  • レスポンスの速さ
  • こちらの意図を正確に理解するか
  • 入居者の反応を正確に返してくれるか
  • こちらが判断するための情報を出してくれるか
  • 契約・更新期限をきちんと管理してくれるか
  • オーナー側に立った提案をしてくれるか

この辺りにかなり差が出ます。良い管理会社とは、「何でも代わりにやってくれる会社」ではなく、「オーナーが正しく判断できるように、速く正確に動いてくれる会社」だと思っています。

そこで疑問になる「管理手数料3.5%って何?」

ここが今回一番書きたかったことです。

私が契約しているA社の管理プランは、集金代行手数料が一律で低額(月あたり千円台)です。必要最低限のことのみをやってくれる代わりに安い、という印象です。
👉 250万円値引き・金利1.9%だった完全紹介制の会社とは?|2件購入した不動産投資家のレビュー

B社は複数プランがあり、月額を少し高くする代わりに退去時の成約手数料(家賃1ヶ月分)を取らないプランと、月額を抑える代わりに成約時に1ヶ月分の手数料がかかるプランを選べます
👉 完全紹介制B社レビュー|実際に3件購入した投資家がレビュー

一方、家賃の3%~5%といった、家賃に連動する割合制の料金体系を取る会社もあります。私が物件を購入したプロパティエージェントもこの方式で、標準は家賃の3.5%です。(現在は10年間の集金代行手数料無料キャンペーンを利用しているため、自分自身はこの料率を実際には払っていません)。
👉 プロパティエージェントの評判・口コミ|実際に購入した投資家がレビュー

ここで疑問に思ったのが、家賃を10万円から11万円に上げれば、管理会社の取り分も自動的に増える、という仕組みです。

仮に家賃12万円なら、3.5%で月4,200円、年間では50,400円です。これが家賃13万円になれば、月4,550円、年54,600円に増えます。

家賃を上げるために主体的に動いたのは自分なのに、なぜ管理会社の報酬まで自動的に増えるんだろう、と疑問に思います。管理会社は家賃交渉そのものを代行してくれるわけではないので、この定率制の仕組みには正直、違和感があります。

だから今の自分なら、定率だから絶対にダメとまでは言いませんが、同程度のサービス内容であれば、定額制のプランを優先すると思います。

この物件を購入した経緯はこちらです。
👉 金利1.74%・駅徒歩2分|都内築浅2Kをプロパティエージェントで買った話【体験談】

実際の家賃交渉でどんなやり取りがあったかはこちらで公開しています。
👉 家賃11,000円アップで物件価値377万円アップ|入居者との賃料改定交渉を公開

ただし、管理料だけ比較してもダメ

ここで完全紹介制B社の話が効いてきます。

月額の管理料が少し高くても、退去後に新しい入居者が決まった際の成約手数料(家賃1ヶ月分)が不要というプランなら、長期で見るとそちらの方が安く済む可能性があります。家賃10万円なら、入居者が1回入れ替わるだけで10万円の差になります。

だから比較すべきなのは、月額の管理料だけでなく、保有期間中に管理会社へトータルでいくら払うことになるか、という視点です。

さらに重要なのが「解約条件」

「じゃあ嫌なら管理会社を変えればいい」と思うかもしれませんが、投資用ワンルームでは、管理委託契約に解約条件が設定されているケースがあります。

契約によって幅がありますが、目安として家賃の3〜6ヶ月分程度の違約金が発生するケースがあるとされ、家賃1ヶ月分程度と説明する会社もあります。結局は自分の管理委託契約書を確認する必要があります。

物件を買うとき、私は販売会社や物件価格、金利ばかり見ていましたが、今なら管理委託契約の内容も必ず確認します。見るべき項目は、月額手数料、定額か定率か、入居者募集時の費用、更新料、解約条件・違約金、家賃改定時にどこまで対応してくれるか、といったところです。

物件選びで重視している判断軸全体については、こちらにまとめています。
👉 不動産投資における物件選びの5つの判断軸|6室購入した投資家の結論

管理会社を変えるなら、売却時が一つのタイミング

今すぐ30〜60万円などのコストをかけて管理会社を変更するほどではないなら、無理に変える必要はないと考えています。

一方、将来物件を売却するときには、複数社から査定を取ります。他社へ売ることで管理契約の解約費用が発生しても、

他社の不動産会社の売却価格 − 解約費用 > 現管理会社系列の不動産会社への売却価格

であれば、他社へ売ればいいだけの話です。ここで初めて、管理会社を切り替えるタイミングが来る、という考え方です。

まとめ|管理会社は「収益を最大化してくれる会社」ではない

賃貸管理会社は、不動産収益を最大化してくれる会社ではありません。日常業務を代行し、オーナーの意思決定を実行するパートナーです。だから管理会社任せにするのではなく、家賃や売却など、収益に直結する判断はオーナー自身が握る必要があります。

管理会社を選ぶときは、管理料が何%かだけでなく、その金額で何をしてくれるのか、家賃を上げたら手数料まで上がるのか、入れ替え時にいくらかかるのか、解約時にいくらかかるのかまで見ることをおすすめします。


6室を保有して分かった、購入後の実際の運用についてはこちらもあわせてご覧ください。
👉 不動産投資は「買って終わり」ではない|6室保有して年間にやっていること全部公開
👉 頭金10万円で6室購入|自己資金を入れない6つの理由

管理会社との契約内容や、家賃交渉の進め方について相談したい方は、お気軽にご相談ください。

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