購入半年で含み益240万円|東京の物件の家賃を上げたので買取査定を取ってみた話

不動産投資

この記事でわかること

  • 実際に買取見積もりを依頼して分かったこと
  • 査定額3,450万円の妥当性を、収益還元法で検証した結果
  • 家賃を上げなくても、5年後・10年後にどれだけ資産が積み上がるか
  • 値上げ余地(+7,500円)を実現した場合の上振れシミュレーション
  • 自己資金に対する単純年率で見た、オルカンとの比較

はじめに

以前、こちらの記事で紹介した東京23区の1DK(購入価格3,410万円、160万円値引き)は、更新のタイミングで家賃を11,000円値上げすることに成功した物件です。
👉 購入後377万円値上がり|東京23区・築浅1DKを160万円値引きで買った話【体験談】

購入からまだ半年も経っていませんが、実際にどれくらい資産価値が動いているのか気になったので、購入元のB社に買取見積もりを依頼してみました。

買取見積もり:3,450万円

結果は3,450万円でした。

正直、この数字だけを見てもピンとこなかったので、収益還元法で理論値を検証してみることにしました。

理論値との比較検証

現在の家賃は122,500円(値上げ後)、管理費・修繕積立金は11,800円です。

(122,500円−11,800円)×12ヶ月÷3.5% ≒ 約3,795万円

これが、収益還元法上の理論値です。

買取業者は、この物件を再販して利益を得る必要があるため、仕入れの段階では理論値より安く提示するのが通常です。仮に業者利益を10%とすると、理論上の買取価格は次のようになります。

3,795万円÷1.10 ≒ 約3,450万円

実際の査定額(3,450万円)と、ぴったり一致しました。業者利益10%という前提で、理論値と査定額の辻褄が合う結果です。

収益還元法についてはこちらで詳しく解説しています。
👉 不動産投資で勝つための収益還元法|家賃1万円上げると物件価値が300万円上がる仕組み

現時点の含み益

半年経過時点でのローン残債は約3,210万円です。査定額(3,450万円)との差額を計算すると、

3,450万円−約3,210万円 ≒ 約240万円

頭金10万円しか入れていない物件で、購入からわずか半年でこれだけの含み益が出ている計算になります。家賃を11,000円値上げしたことのインパクトを、改めて実感しました。

この物件は購入時に160万円の値引きを受けていますが、この効果は「含み益に直接プラスされる」というより、毎月の返済額を下げる形で効いています。値引きがなければ、借入額は160万円多くなり、月々の返済額も現在よりおおよそ5,000円前後高くなっていた計算です。その分、月次CFの赤字も大きくなっていたはずなので、値引き交渉自体が、今回の含み益の土台を支えているとも言えます。

5年後・10年後シミュレーションの前提条件

ここからは、今の条件のまま保有を続けた場合、資産価値がどう推移するかを試算します。先に、今回のシミュレーションで置いているコストの前提を整理しておきます。

項目内容
金利2.2%固定(変動なしと仮定)
実質利回り3.5%固定
月々の返済額109,000円(変わらず)
管理費・修繕積立金・集金代行等16,200円(変わらず)
月次キャッシュフロー(家賃据え置き時)122,500円−109,000円−16,200円=約−2,700円
月次キャッシュフロー(130,000円達成時)130,000円−109,000円−16,200円=約+4,800円
空室・退去4年に1回、家賃1ヶ月分の空室損失(年数按分で計算)
原状回復費用退去のたびに20万円(年数按分で計算)
設備故障10年に1回、50万円の修繕費(年数按分で計算)
固定資産税7万円/年
売却価格収益還元法の理論値から、業者の利益として10%を差し引いた金額(業者買取想定)
譲渡税長期譲渡税率20.315%

なお、確定申告による減価償却の還付金は、今回のシミュレーションには含めていません。実際にはこれに加えて、毎年の還付金も上乗せされる想定です。

シミュレーションの考え方については、こちらでも詳しく扱っています。
👉 不動産投資はどのくらい儲かる?|頭金10万円で始めた場合のリターンをシミュレーション

5年後・10年後のシミュレーション

比較のため、2つのシナリオを用意しました。

  • 家賃据え置きシナリオ:現在の122,500円のまま
  • 家賃130,000円達成シナリオ:もともとの目標だった13万円まで、あと7,500円の値上げが実現した場合
シナリオ5年後の純利益(税引後)10年後の純利益(税引後)
家賃据え置き約367万円約602万円
家賃130,000円達成約598万円約876万円

※今回のシミュレーションは、将来の資産価値を保証するものではなく、一定の前提条件を置いたうえでの試算です。

実際には、金利の変動や管理費・修繕積立金の改定、固定資産税の見直し、空室期間や修繕費用などは変動する可能性があります。一方で、インフレや賃料相場の上昇、周辺の不動産価格の変化などによって、家賃や売却価格が上振れする可能性もあります。

そのため、今回のシミュレーションは将来を予測するものではなく、現時点で一定の条件を置いた場合の一例としてご覧いただければと思います。

自己資金に対する利回りで見ると

ここまでの純利益は、あくまで「儲かった総額」です。ただ、不動産投資はレバレッジをかけている分、実際に自分がいくら投じて、その結果いくら増えたのかという視点も重要です。

ここまでの純利益は、あくまで「儲かった総額」です。ただ、不動産投資はレバレッジをかけている分、実際に自分がいくら投じて、その結果いくら増えたのかという視点も重要です。

自己資金には、頭金10万円の初期費用に加えて、保有期間中に固定資産税・空室時の家賃損失・原状回復費用・設備故障費といったコストが、その間の家賃収入だけでは賄いきれなかった場合の不足分を含めて計算しています。

シナリオ自己資金累計単純年率
据え置き・5年後約127万円58.1%
130,000円達成・5年後約82万円145.0%
据え置き・10年後約243万円24.8%
130,000円達成・10年後約155万円56.6%

家賃130,000円達成シナリオの方が、自己資金の累計投入額が少なく済んでいるのは、家賃が上がることで月次CFがプラスに転じるため、持ち出し自体が減ります。値上げは利益を増やすだけでなく、自己資金の負担を減らすという、二重の効果があることが見えてきました。

オルカンと比較して思うこと

オルカン(全世界株式インデックスファンド)の長期平均リターンは、年5〜7%程度とされています。

今回のシミュレーションでは、最も保守的な「10年後・据え置き」シナリオでも単純年率約24.8%、オルカンの長期平均の3倍以上という結果になりました。値上げが実現した「10年後・130,000円達成」であれば、約56.6%、8倍以上です。

ここまで大きな差が出るのは、頭金10万円という極端に小さい自己資金でレバレッジをかけているからです。同じ物件でも、フルキャッシュで購入していれば、ここまでの年率にはなりません。少ない自己資金で大きな資産を動かせることこそ、不動産投資の強みだと改めて感じています。

ここで一点、注意点があります。今回計算している不動産の「単純年率」は、最終的な利益を保有年数で単純に割っただけの数字です。一方、オルカンなどのインデックス投資は、運用で得たリターンがそのまま再投資され、翌年以降はその増えた元本に対してさらにリターンが乗る「複利」で増えていきます。オルカンで年6%の複利運用を10年続けると、投資元本は約1.79倍になります。同じ「年率○%」でも、単純利回りと複利では長期になるほど実際の増え方に差が出るため、この記事の単純年率とオルカンの複利年率を数字の大小だけで単純比較するのはやや厳密さを欠きます。ただ、それを踏まえても、今回の不動産のリターンは、複利換算したオルカンの期待値と比べても十分に大きい水準だと考えています。

頭金を最低限にしている理由についてはこちらにまとめています。
👉 頭金10万円で6室購入|自己資金を入れない6つの理由

この結果から伝えたいこと

一番伝えたいのは、11,000円という値上げ額のインパクトの大きさです。購入からまだ半年しか経っていないのに、すでに買取査定で理論値通りの含み益が出ている状態になっています。

そしてもう一つ大事なのは、家賃を上げなくても、資産は着実に積み上がっていくという事実です。今回のシミュレーションでは、家賃据え置きのシナリオでも、5年後に約367万円、10年後に約602万円の利益が見込めています。これは、入居者が払う家賃でローンの残債が減っていく、他人資本の効果そのものです。

そしてこの物件には、まだ7,500円の値上げ余地が残っています。もしそれが実現すれば、10年後の利益は据え置きシナリオの約1.5倍まで伸びる計算です。入居者の家賃で返済が進むのと同じように、実はインフレも借金の実質的な重さを軽くしてくれる働きがあります。他人資本だけでなく、時間の経過そのものが味方になるという意味で、こちらもあわせてご覧ください。
👉 借金1.7億円はインフレで本当に目減りする?|6室の実際の金利で検証

この物件を紹介してくれたB社について

改めて振り返ると、この物件はB社が紹介してくれた候補の中から、家賃の割安感・更新タイミングの近さ・値引き幅を見て選んだものでした。結果として、購入からわずか半年で理論値通りの査定が出るような物件を紹介してもらえたのは、B社の物件を見極める力があってこそだと感じています。

B社の詳細についてはこちらで紹介しています。
👉 完全紹介制B社の評判・口コミ|実際に3件購入した投資家がレビュー

購入前に活用したセカンドオピニオン

この物件の購入前には、ファイナンシャルプランナーによるセカンドオピニオンを活用しました。家賃水準や更新時期、市場動向などについて客観的な意見を伺う中で、「現在の家賃には相場と比べて割安感があり、更新タイミングも近いことから、賃料改定の余地も期待できそうだ」と感じ、それらも踏まえたうえで、最終的には購入を判断しました。

今回のように、購入後の資産価値や賃料の推移を振り返る場面でも、当時の考え方と実際の結果を照らし合わせながら検証できる点は、セカンドオピニオンを活用したメリットの一つだと感じています。

もちろん、将来の賃料や資産価値は市場環境などさまざまな要因によって変動するため、同様の結果を保証するものではありません。しかし、購入前に複数の視点から物件を確認し、納得した上で意思決定できたことは、結果にかかわらず大きな安心材料になったと感じています。

不動産投資のセカンドオピニオンサービスについてはこちらで紹介しています。
👉 不動産投資で損しないために|買う前に相談すべきセカンドオピニオンサービス【実体験レビュー】

まとめ

購入価格3,410万円(160万円値引き)の物件で、購入からわずか半年、家賃を11,000円値上げしただけで、買取査定3,450万円という結果になりました。これは収益還元法の理論値ともほぼ一致する、納得感のある査定でした。

家賃を上げなくても、5年後・10年後には着実に資産が積み上がっていく。今回のシミュレーションでは、10年後・据え置きシナリオでも、自己資金の約2.5倍にあたる利益が出る計算になりました(602万円÷243万円)。これはオルカンの長期複利運用(10年で約1.79倍)と比べても大きく上回る水準です。それに加えて、まだ残っている値上げ余地を実現できれば、さらに上振れが期待できる。今回の見積もりを通じて、改めてそのことを実感しました。

この物件の詳しい購入条件・家賃交渉の経緯はこちらです。
👉 家賃11,000円アップで物件価値377万円アップ|入居者との賃料改定交渉を公開


物件選びに迷っている方や、第三者の目線でセカンドオピニオンを取りたい方はぜひご連絡・ご相談ください。

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