この記事でわかること
- 大阪の物件(家賃16,500円値上げ済み)の買取査定額
- 収益還元法での理論値検証
- シミュレーションのコスト前提条件
- 5年後・10年後のシミュレーション(据え置き・さらなる値上げの2パターン)
- 東京の物件と比較して見えてきたこと
はじめに
以前、こちらの記事で紹介した大阪市の1K(購入価格2,090万円、80万円値引き)は、購入からわずか3ヶ月で退去が発生し、新規募集で家賃を16,500円引き上げることに成功した物件です。
👉 家賃16,500円上げて、535万円の物件価格上昇|大阪市・築浅1Kを80万円値引きで買った話【体験談】
先日の東京の物件と同じタイミングで、この物件もB社に買取見積もりを依頼してみました。
買取見積もり:2,310万円
結果は2,310万円でした。こちらも東京の物件と同様に、収益還元法で理論値を検証してみます。
理論値との比較検証
現在の家賃は90,000円(値上げ後)、管理費・修繕積立金は10,800円です(集金代行手数料2,750円は収益還元法の計算には含めていません)。
(90,000円−10,800円)×12ヶ月÷3.7% ≒ 約2,569万円
これが理論値です。業者利益10%を差し引くと、
2,569万円÷1.10 ≒ 約2,335万円
実際の査定額(2,310万円)と、ほぼ近い水準でした(差は約25万円)。東京の物件ほどぴったりではありませんが、近似の範囲に収まっています。
収益還元法についてはこちらで詳しく解説しています。
👉 不動産投資で勝つための収益還元法|家賃1万円上げると物件価値が300万円上がる仕組み
現時点の含み益
半年経過時点でのローン残債は約1,871万円です。査定額(2,310万円)との差額は、
2,310万円−約1,871万円 ≒ 約439万円
※ここでの「含み益」は、買取査定額から現在の残債を差し引いた金額です。売却時の仲介手数料・税金は含みません。
5年後・10年後シミュレーションの前提条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金利 | 2.208%固定(変動なしと仮定) |
| 実質利回り | 3.7%固定 |
| 月々の返済額 | 69,500円(変わらず) |
| 管理費・修繕積立金・集金代行等 | 13,550円(変わらず) |
| 月次キャッシュフロー(据え置き時) | 90,000円−69,500円−13,550円=約+6,950円 |
| 月次キャッシュフロー(95,000円達成時) | 95,000円−69,500円−13,550円=約+11,950円 |
| 空室・退去 | 4年に1回、家賃1ヶ月分の空室損失(年数按分で計算) |
| 原状回復費用 | 退去のたびに20万円(年数按分で計算) |
| 設備故障 | 10年に1回、50万円の修繕費(年数按分で計算) |
| 固定資産税 | 7万円/年 |
| 売却価格 | 収益還元法の理論値から、業者の利益として10%を差し引いた金額(業者買取想定) |
| 譲渡税 | 長期譲渡税率20.315% |
なお、確定申告による減価償却の還付金は、今回のシミュレーションには含めていません。実際にはこれに加えて、毎年の還付金も上乗せされる想定です。
シミュレーションの考え方については、こちらでも詳しく扱っています。
👉 不動産投資はどのくらい儲かる?|頭金10万円で始めた場合のリターンをシミュレーション
5年後・10年後のシミュレーション
この物件は既に、同マンション内でも高い水準まで家賃を引き上げているので、さらに値上げを狙うなら、更新料免除などのカードを使って交渉する前提を置きます。2つのシナリオで試算しました。
- 家賃据え置きシナリオ:現在の90,000円のまま
- 95,000円達成シナリオ:更新料免除などを使って、+5,000円の値上げが実現した場合
| シナリオ | 5年後の純利益(税引後) | 自己資金/単純年率 | 10年後の純利益(税引後) | 自己資金/単純年率 |
|---|---|---|---|---|
| 据え置き | 約344万円 | 約65万円/106.5% | 約511万円 | 約119万円/42.9% |
| 95,000円達成 | 約490万円 | 約35万円/278.9% | 約688万円 | 約60万円/113.9% |
※今回のシミュレーションは、将来の資産価値を保証するものではなく、一定の前提条件を置いたうえでの試算です。
実際には、金利の変動や管理費・修繕積立金の改定、固定資産税の見直し、空室期間や修繕費用などは変動する可能性があります。一方で、インフレや賃料相場の上昇、周辺の不動産価格の変化などによって、家賃や売却価格が上振れする可能性もあります。
そのため、今回のシミュレーションは将来を予測するものではなく、現時点で一定の条件を置いた場合の一例としてご覧いただければと思います。
東京の物件と比較して見えてきたこと
東京の物件(10年後・据え置き、純利益約602万円)と比べると、大阪の物件(10年後・据え置き、純利益約511万円)は純利益の絶対額こそ小さいものの、単純年率で見ると42.9%と、東京(24.8%)を上回る結果になりました。
理由は単純で、大阪の物件の方が自己資金の必要額が少なく済んでいるからです。物件価格が小さい分、絶対額の利益は伸びにくくなりますが、投じたお金に対するリターン率で見ると、東京よりむしろ効率が良い結果になっています。
言い換えると、同じ予算があれば、東京で1室を持つより、大阪で複数室に分散して持つことで、より高いリターン率を保ちながらリスクを分散できる可能性がある、ということです。
東京の物件の買取査定についてはこちらで詳しく紹介しています。
👉 購入半年で含み益240万円|東京の物件の家賃を上げたので買取査定を取ってみた話
もう一点、今回の大阪の物件は16,500円という大きな値上げに成功していますが、これは大阪だからというより、購入から3ヶ月というタイミングで退去が発生し、新規募集で相場上限まで一気に引き上げられたという、値上げの型がうまくハマった結果です。通常、既存入居者との更新交渉であれば、これほど大きな値上げ幅を一度に実現するのは難しく、5,000円〜1万円程度が現実的なラインです。退去のタイミングを活かせるかどうかで、実現できる値上げ幅は大きく変わります。
この物件の詳しい交渉プロセスはこちらで公開しています。
👉 家賃16,500円アップで物件価値535万円アップ|入居者との賃料改定交渉から入居募集まで公開
オルカンと比較して思うこと
オルカン(全世界株式インデックスファンド)の長期平均リターンは、年5〜7%程度とされています。
今回のシミュレーション(10年後・据え置き)では、自己資金約119万円に対して純利益約511万円、自己資金の約4.3倍にあたる利益が出る計算になりました。
ここで一点、注意点があります。オルカンなどのインデックス投資は、運用で得たリターンがそのまま再投資され、翌年以降はその増えた元本に対してさらにリターンが乗る「複利」で増えていきます。オルカンで年6%の複利運用を10年続けると、投資元本は約1.79倍になります。今回の不動産のリターン(自己資金の約4.3倍)は、この複利換算したオルカンの期待値と比べても、大きく上回る水準です。
頭金を最低限にしている理由についてはこちらにまとめています。
👉 頭金10万円で6室購入|自己資金を入れない6つの理由
この物件を紹介してくれたB社と購入前に活用したセカンドオピニオン
この物件も、同マンション内の家賃差に着目してB社が紹介してくれた物件でした。
購入前にはセカンドオピニオンにも相談し、周辺相場や同マンション内の賃料水準について話を聞く中で、「現在の家賃には割安感があり、更新タイミングも近いことから、賃料改定の余地が考えられそうだ」と感じたことも、購入を後押しする要素の一つとなりました。最終的には、それらの情報も踏まえたうえで、自身で購入を判断しています。
B社の詳細についてはこちらで紹介しています。
👉 完全紹介制B社の評判・口コミ|実際に3件購入した投資家がレビュー
不動産投資のセカンドオピニオンサービスについてはこちらで紹介しています。
👉 不動産投資で損しないために|買う前に相談すべきセカンドオピニオンサービス【実体験レビュー】
まとめ
購入価格2,090万円(80万円値引き)の物件で、退去をきっかけにした16,500円の値上げの結果、購入からわずか半年で買取査定2,310万円という結果になりました。理論値ともおおむね近い水準です。
物件価格の小さい大阪でも、単純年率で見れば東京を上回るリターンが出ており、オルカンの複利運用と比べても大きく上回る水準です。分散投資としての大阪物件の価値を改めて実感しています。
6室全体の分散状況についてはこちらにまとめています。
👉 購入した6室、全データ公開|東京・川崎・大阪、値引き・値上げ・物件価値の実績まとめ
物件選びに迷っている方や、第三者の目線でセカンドオピニオンを取りたい方はぜひご連絡・ご相談ください。

