この記事でわかること
- 収益還元法とは何か・なぜ重要なのか
- 利回りは固定ではなく動くという事実
- 業者がどこで利益を出しているかの構造
- 「出口利回りが悪化しても勝てる価格で買う」という正しい戦略
- 家賃を上げる時の正しいやり方と落とし穴
不動産投資が難しく見える理由
不動産投資の本を読んだり、セミナーに参加すると、様々な指標や用語が出てきます。
不動産投資は難しそうに見えますが、実は「家賃」と「利回り」の2つで大部分を説明できます。
この2つをつなぐ考え方が、収益還元法です。
収益還元法という考え方を軸に、家賃と利回りを理解すれば不動産投資の本質はシンプルになります。
この記事では、私が実際に6社と面談し、6室の物件を購入する中で学んだ「本当に重要な考え方」をお伝えします。
収益還元法とは何か
収益還元法とは、「その物件が生み出す純収益をもとに物件価格を算出する方法」です。
式で表すとこうなります。
物件価格 =(家賃 − 管理費 − 修繕積立金)× 12 ÷ 還元利回り
つまり、家賃が上がれば価格は上がり、管理費や修繕積立金、利回りが悪化すると物件価格は下がるということです。
具体的な数字で考えてみましょう。
- 月額家賃:10万円
- 管理費:5,000円
- 修繕積立金:5,000円
- エリアの還元利回り:3.7%
この場合の物件価格は
(10万円-5,000円-5,000円)×12 ÷ 0.037 = 約2,919万円
ここから重要なことが2つわかります。
① 家賃が上がれば物件価格も上がる ② 管理費・修繕積立金が上がれば物件価格は下がる
これが収益還元法の本質です。だからこそ「修繕積立金が値上がりする予定の物件」は要注意なのです。
家賃を上げるだけでは不十分な理由
収益還元法を理解すると、多くの人がこう考えます。
「家賃が相場より低い物件を買い、家賃を上げれば物件価格が上がる。だから勝てる。」
これは方向性として正しいです。ただし100点の理解にするには、もう一つ重要な視点が必要です。
それが「利回りは固定ではなく動く」という事実です。
利回りが変動すると物件価格はどう変わるか
収益還元法の式を見ると、物件価格は純収益(=(家賃-管理費-修繕積立金)×12)と利回りの両方で決まります。
ここで多くの人が見落とすのが、利回り(分母)も変動するという点です。
例えば、家賃を上げても利回りが悪化すると価格は思ったほど上がらないこともあります。
具体例:
購入時の条件
- 月額家賃:9万円・管理費5,000円・修繕積立金5,000円
- 年間純収益:(9万円-5,000円-5,000円)×12=96万円
- 利回り3.7%
→物件価格=96万円÷3.7%=約2,595万円
家賃を10万円(+1万円)に値上げした場合、年間の純収益は(10万円-5,000円-5,000円)×12=108万円となります。その場合で、利回りの変動を見てみましょう。
ケース①(利回りが3.7%のまま)
- 物件価格=108万円 ÷ 3.7% = 約2,919万円(+約324万円)
家賃を1万円上げただけで、物件価値が約324万円上昇する計算になります。
ケース②(利回りが3.9%に悪化)
- 物件価格=108万円 ÷ 3.9% = 約2,769万円(+約174万円)
家賃は同じく1万円上げているのに、利回りが0.2%悪化しただけで物件価値が約150万円目減りします。家賃を上げても、利回りの動き次第で結果が大きく変わることがわかります。
ケース③(利回りが3.5%に好転)
- 物件価格=108万円 ÷ 3.5% = 約3,086万円(+約491万円)
利回りが下がる(=市場の期待収益率が低下する)と、家賃上昇の効果が増幅されます。 家賃アップと利回り低下が重なれば、さらに大きなキャピタルゲインを狙えます。
これまでの利回り推移
利回りはこれまで長期的に低下し続けてきました。
大前提、利回りは銀行が金融情勢を鑑みたりして定めており、個人の投資家でいじれるものではありません。(個人間での売買は除く)
TOCHUの実成約データ(2,304件)によると、東京23区の中古ワンルームマンションの利回りはこう推移しています。
23区平均:2017年6.88% → 2024年4.99%(約1.9%低下)
都心6区:2017年6.07% → 2024年4.50%(約1.6%低下)
2025年:23区平均4.2%前後(日本不動産研究所)※上記は表面利回りのデータです。実際の投資判断においては、管理費・修繕積立金などのコストを差し引いた実質利回りで捉えることが重要です。ほとんどの銀行が定めている評価利回りが、実質利回りのためです。
出典:株式会社TOCHU調べ(2017〜2024年 東京23区中古ワンルームマンション成約2,304件)
上記のデータから分かることとして、およそ7年間利回りが低下し続けてきました。これは裏を返せば、物件価格が上昇し続けてきたということです。東京23区のワンルームを持ち続けた人はこの恩恵を受けてきました。
今後もこのトレンドが続く可能性があると言われており、家賃から値段がつくオーナーチェンジの物件価格は数年遅れで個人間で直接売買を行う実需の物件価格に追いつく傾向があると言われております。
もちろん、過去の推移が将来を保証するものではありません。しかし、東京23区では人口流入や建築コストの上昇などを背景に、今後も賃料や物件価格の動向に注目している投資家は多いようです。
私自身も、こうした過去のデータや市場環境を参考にしながら投資判断を行っています。
業者はどこで利益を出しているのか
ここを理解すると、不動産投資の構造が見えてきます。
不動産会社の利益の出し方は会社によって異なりますが、一般的には次のようなケースがあります。
① 情報格差・仕入れ力
相続や資産整理、住み替えなど様々な理由で売却を希望するオーナーから物件を仕入れます。不動産会社によっては独自のネットワークや仕入れルートを持っており、市場に広く公開される前の物件情報にアクセスできる場合もあります。
② バリューアップ(収益改善)
管理方法の見直しや賃料条件の調整などによって収益性の改善を図り、その結果として物件価値の向上を目指すケースがあります。
③ 仕入れ価格と販売価格の差額
私が複数社と面談した中で聞いた話では、区分マンション投資の世界では、仕入れ価格と販売価格の差額として10%前後を一つの目安として考える会社もあると言われています。
もちろん物件によって異なりますが、仕入れ会社は独自のネットワークや情報力を活用しながら物件を仕入れ、その差額の中から利益を確保しています。
私が学んだのは、不動産会社によって利益の出し方や強みが大きく異なるということです。
特に仕入れを自社で行っている会社は、売主から直接仕入れることで中間業者を挟まないケースも多く、他社を経由して販売される物件と比べて価格面や条件面で優位性を持つ場合があります。
仕入れ会社によって得意分野や情報の持ち方は異なるため、同じ物件でもどの会社から提案を受けるかによって見え方が変わることがあります。
実際に複数の会社を比較する中で、私自身はA社やB社のような仕入れ機能を持つ会社に魅力を感じています。仕入れから販売までを一貫して行っているため、物件の背景や家賃戦略についても説明を受けやすく、私の投資方針とも相性が良いと感じたからです。
A社の詳細レビュー
→不動産会社A社の評判・口コミ|実際に2件購入した不動産投資家がレビュー
B社の詳細レビュー:
→不動産会社B社の評判・口コミ|実際に3件購入した投資家がレビュー
不動産会社6社のランキング記事
→不動産投資会社おすすめランキング6社比較|実際に買った投資家の結論
家賃アップの考え方と注意点
家賃を上げる際にも、さまざまな考え方があります。
一般的な家賃設定
- 周辺相場に合わせる
- 同一マンション内の賃料水準を参考にする
- 長期的に維持しやすい家賃設定にする
私が学んだ考え方
- 収益改善の余地があるかを検討する
- 市場が受け入れる範囲で家賃上昇の可能性を考える
- 将来の売却や金融機関の評価まで含めて考える
一方で、不動産投資家の中には、将来的な収益性や売却時の評価を意識しながら家賃設定を検討するケースもあります。例えば、更新料などの条件を調整しながら、月額賃料を高めに設定するという考え方です。
ただし、家賃を適当に高く設定すれば良いというわけではありません。相場とかけ離れた賃料設定は空室期間の長期化につながる可能性があり、結果として収益を悪化させることもあります。
また、売却時には金融機関も賃料の妥当性を確認します。そのため、一時的に高い家賃で成約していたとしても、その水準の継続性に疑問があると判断されれば、想定していた評価が得られない可能性もあります。
重要な考え方
「相場に合わせる」ことではなく、市場が受け入れる範囲の中で収益性を高め、その家賃が金融機関からも評価される状態を作ることだと学びました。
投資家として押さえるべき判断軸
以上を踏まえると、物件を判断する軸はシンプルです。
① 家賃が相場より低いか(値上げ余地があるか)
収益還元法で物件価格を上げるためには、家賃に上げる余地が必要です。
② 出口利回りが悪化しても利益が出る価格か
今の利回りだけでなく、5年後に0.1%上がったシナリオでも利益が出るかを確認します。
③ 修繕積立金の値上がりリスクはないか
コストが上がると純収益が下がり、物件価格が下がります。購入前に長期修繕計画を確認しましょう。
ただしこの判断は一人でやらなくていい
正直、これらの判断を自分一人でやるのはかなり難しいです。
特に「出口利回りの設定」は、エリアごとのリアルな知識がないと正確に判断できません。
こうした判断を個人で全部やるのはかなり難しいです。私自身は数多くの相談実績を持つファイナンシャルプランナー(FP)に、第三者としてアドバイスを貰っていました。
全国の家賃相場データとエリアごとの利回り知識をもとに、物件が割安か割高かを個人の立場から判断してくれる、非常に心強い存在です。
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不動産投資のセカンドオピニオンの詳細レビュー記事はこちら
→不動産投資で損しないために|買う前に相談すべきセカンドオピニオンサービス【実体験レビュー】
また、実際に収益還元法をもとに物件を選んでいる仕入れ会社のレビューもあわせてご覧ください。
完全紹介制A社の詳細レビュー
→不動産会社A社の評判・口コミ|実際に2件購入した不動産投資家がレビュー
完全紹介制B社の詳細レビュー
→不動産会社B社の評判・口コミ|実際に3件購入した投資家がレビュー
まとめ
不動産投資で勝つために理解すべきことは2つです。
① 収益還元法:純収益が物件価格を決める
(家賃 − 管理費 − 修繕積立金)× 12 ÷ 利回り=物件価格。家賃が上がれば価格も上がり、コストが増えれば価格は下がる。
② 利回りは動く:出口を厳しめに設計する
家賃を上げても利回りが悪化すれば価格は思ったほど上がらない。逆に利回りが下がれば、家賃を上げなくても価格は大きく上昇する。利回りの悪化を想定した上でも利益が出る価格で買うことが重要。
こうした判断を一緒に考えてくれる信頼できるパートナーが必要だと思う方は、ぜひご連絡・ご相談ください。
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